北野武さんの話
コロナであまりでかけなくなったせいか、最近、ずうっと昔のことが、突然思い出されたりすることがあります。なんで今?と自分でもびっくりしちゃいます。
監禁されたりすると記憶が掘り起こされてくるみたいな話は、聞いたことがありますので、そういう類でしょうか。
テレビの1シーンがなぜか今朝思い出されました。
北野武さんが映画を撮って世界的に認められはじめ、世間が驚いていた頃のことだと思います。だいぶ前ですね。
映画監督業についてテレビで北野さんが質問に答えている場面だったと思うのですが。
人が作った映画を観ていて、ああ、ここ嫌だな、と思ったら、それが自分の個性だと思う、というようなことをおっしゃっていて、面白い考えだなと思ったのを覚えています。
つまり、何か不満に思ったら、それ自体が自分の個性で、不満なことの反対のものをちゃんと形にしたら、オリジナルでユニークな作品となるという意味でしょうね。
このことを生活全般に広げて考えると、けっこうポジティブになる話だな、と、何十年?たって、突然思ったのでした。不思議ですね。
何だか、わりと私は神経質な方で、1日中色々不満があって、それをあまり口に出すと周りに迷惑だと思って顔にも言動にも出さないようにしていて、そのせいでストレスがたまりやすく、限界を越すと体を壊してしまうのです。
テレビにも一人で心で突っ込みまくっているし、家族の言動にも、職場でも、動画や映画、本、政治、音楽等々、いつも不満を秒ごとに感じているけど、口に出さないということをしているわけですね。病院に行っても、買い物に行っても、何か食べに行っても、人に会って話をしても、不満は泉から水がわくようにでてきてしまいます。顔に出さないだけ。
そういうタチであることを不幸に思っていましたが、そこのところこそが個性だ、ラッキーと考えれば落ち込まなくてすみます。
そして、嫌だなと気づいちゃったことが素晴らしい、それを出発点として、何か良きものを作れないか?と、嫌だったことの反対バージョン、改善バージョンを自分のやり方とすればいいと思えば、人生の色が反転するようなことだなあと思ったのでした。
やっぱり、世界のキタノはすごいんですね。