失ったもの・思い出
何かに恵まれたり得られたりしている時には、けっこう当たり前と思ってしまって、失う時に大ショック、とか、怒りとか後悔ということになるものですよね。
友情、愛情、信頼、連帯感、仕事、役割、若さ、美しさ、能力、人気、名誉などなど・・
物やお金もそうですね。
視力、聴力、その他もろもろの健康も。
私は、ごく最近まで、そういう良きものは一時的に恵まれるものだ、という考えを持っていなくて、そのせいでずいぶん精神的に損をしていたことに気づきました。
以前に比べてこれができない、とかそういうことを受け入れられない、とか。
空き巣に入られて、物を取られていつまでもいつまでも悔しがるとか。
どうすれば失わずにすんだのだろう、という反省の方向にいくことも多かったのです。
人間関係など、そうなりがちです。
もちろん反省も大事だけど、まあ一通りしたら、いつまでも悔やんでもしかたない。
ああ、いっときでもそういうものに恵まれてよかったなあ、という考えをすればいいんだ!と、まあ当たり前のことにある時突然気づいて、それから気持ちが楽になりました。
事情によって、その、いっときが長いこともあれば短いこともあるというだけのこと。
何よりそういう考えでいることで、人を慰めたり励ましたりするのがなんだか前よりうまくいくようになった気がします。
そして、思い出にふけることは、恥ずかしいことでもなんでもなく、素晴らしく効率的な幸せの実現方法だと思うようになりました。